リサイクル・マガジン

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H26-Ⅱ-1-4 電気的性質を利用した選別法2つの概要、特徴、技術的留意点

   固体の電気的性質の差を利用した選別法

固体の電気的性質の差を利用した選別法には、①渦電流選別法と、②静電選別法がある。それぞれの選別法を主に支配する因子は前者が物質のバルク物性としての電気伝導性、後者が表面物性としてのそれである。

①渦電流選別法a)概要と特徴:導体に変化磁界を作用させると、電磁誘導によりその物質中に電気伝導性に比例した渦電流が発生する。渦電流は作用させた変化磁界との間に反発力を生じ、異なる物質同士の選別を行う。

b)技術的留意点:変化磁界を作用させる方法は、磁石ローターを高速回転させる手法が一般的である。しかし、そこに強磁性体が混入すると機内に磁着し、高熱を発する危険性がある。そのため、事前に強磁性体を磁選等により除去する。

②静電選別法a)概要と特徴:粒子を静電界内に置いたとき、帯電量と電界強度の積で与えられる電気的な力の違いにより選別を行う。粒子を帯電させる方法は種々あるが、分離法として実用化されているのは静電誘導、イオン・電子などの粒子への衝突、摩擦電気である。

b)技術的留意点:表面の電気伝導性の差を利用するため、粒子は乾燥状態で供給する必要がある。また、雰囲気中の湿度が選別に与える影響が大きい。

以上