リサイクル・マガジン

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乾式分級の原理、特徴及び留意点

令和3年度Ⅱー1-4

 乾式分級とは、気流中における粒子の力学的挙動の

違いを利用して、粒子の大きさに応じて分離する方法

である。乾式分級の原理は、気流中の粒子が、その質

量や形状によって、遠心力や流体抵抗などの力にさら

されることで、飛行軌跡が変わることを利用している。

例えば、遠心式気流分級機では、回転するロータから

噴出された気流に原料粒子を加えると、質量の大きい

粒子は遠心力によって外側に弾き飛ばされ、質量の小

さい粒子は吸引力によって中心付近に引き寄せられる。

このようにして、分級機から吸い出される微粒が含ま

れる気流と、粗粒に分離できる。

 乾式分級の特徴を次に述べる。水や溶剤などの媒体

を必要としないため、乾燥工程が不要であり、必要な

エネルギーやコストが低い。粉体の性質や品質が変化

しにくいため、高品質な製が得られる。分級機の構造

がシンプルであり、操作やメンテナンスが容易。

 一方で、乾式分級における留意点を次に述べる。 粉

体の凝集や付着が起こりやすい場合は、分散性能や回

収率が低下する可能性がある。粉体の摩耗性が高い場

合は、分級機の摩耗に注意する必要があります。分級

機の選定や設定には、粉体の特性や目的に応じた適切

なものを選ぶ。