リサイクル・マガジン

資源工学分野で役立つかもしれないワードを紹介していきます。

H26-Ⅱ-1-4 電気的性質を利用した選別法2つの概要、特徴、技術的留意点

   固体の電気的性質の差を利用した選別法

固体の電気的性質の差を利用した選別法には、①渦電流選別法と、②静電選別法がある。それぞれの選別法を主に支配する因子は前者が物質のバルク物性としての電気伝導性、後者が表面物性としてのそれである。

①渦電流選別法a)概要と特徴:導体に変化磁界を作用させると、電磁誘導によりその物質中に電気伝導性に比例した渦電流が発生する。渦電流は作用させた変化磁界との間に反発力を生じ、異なる物質同士の選別を行う。

b)技術的留意点:変化磁界を作用させる方法は、磁石ローターを高速回転させる手法が一般的である。しかし、そこに強磁性体が混入すると機内に磁着し、高熱を発する危険性がある。そのため、事前に強磁性体を磁選等により除去する。

②静電選別法a)概要と特徴:粒子を静電界内に置いたとき、帯電量と電界強度の積で与えられる電気的な力の違いにより選別を行う。粒子を帯電させる方法は種々あるが、分離法として実用化されているのは静電誘導、イオン・電子などの粒子への衝突、摩擦電気である。

b)技術的留意点:表面の電気伝導性の差を利用するため、粒子は乾燥状態で供給する必要がある。また、雰囲気中の湿度が選別に与える影響が大きい。

以上

H27-Ⅱ-1-2 廃棄物を破砕する目的と破砕機の概要

廃棄物を破砕する目的と破砕機の概要

1.廃棄物を破砕する目的

輸送コストの低減、有価物の回収、焼却の効率化のために廃棄物を破砕する。

2.代表的な破砕機の概要

①切断機:廃棄物にせん断力を与えて破砕する。廃プラスチック類、繊維くず、金属くずなどの破砕に使われている。他の破砕機と比べると、切断機は、破砕を比較的均一に行える。

②回転式破砕機:ハンマーやカッターを回転させることで、廃棄物に衝撃力やせん断力を与えて破砕する。回転式破砕機は高速回転式と低速回転式の2種類がある。高速回転式は物と物を高速で衝突させることで破砕を行う衝撃作用を主体とし、自動車や家具、硬質プラスチックなどの大きな廃棄物を破砕するのに使われる。低速回転式は低速で刃が回転するため、強力なせん断を行うことが可能で、比較的多種類の廃棄物を破砕することができる。特に軟質プラスチックや布などの、破砕機の刃にまとわりつきやすいものを破砕するのに使われる。

③圧縮式破砕機:面と面との間で廃棄物を圧縮し、破砕する。コンクリートアスファルトなどの大きな塊の廃棄物に使われている。

以上

持続可能な開発目標(SDGs)

「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包括性のある社会の実現のため、2030年を年限とする17の国際目標。

資源循環や環境に関するキーワードを5つ取り上げ、それぞれについて問題点とりうるる。

 

クリーンエネルギー

①資源再生装置の稼働にエネルギーが必要である。

②資源再生に伴って生じる廃棄物の処理方法が不明確である。

 

産業と技術革新の基盤

①持続可能な技術構築体制がない。

②技術継承のための人材育成体制が整備されていない。

 

つくる責任とつかう責任

①廃棄物が大量に発生している。

 

パートナーシップ

環境負荷低減に相互協力体制ができていない。